『子どもの頃から哲学者』おすすめ本紹介

こんにちは。エスです。みなさんは哲学に対してどんなイメージを持っていますか?なにか頭のいい人がいいことっぽいことを言ってるとか、なんかわけわからん難しいものとか、人間は考える葦(あし)とかそういう感じでしょうか。今日の本はこれです。

『子どもの頃から哲学者』

著者は哲学の先生なのですが、その人生は順風満帆とはいかないものだったようです。この本は人生をこじらせた著者が哲学と出会いどう変わったのかが描かれた、自伝的哲学入門書といったものとなっています。

「流行には乗るな」「人と同じことは絶対するな」という教育で育った著者は当時流行っていたファミコンには見向きもせず、マンガも手塚治虫しか読まない少年だったそうです。その所為で周囲と話が合わず、いつしか誰も自分をわかってくれないと思うようになってしまいました。人恋しい思いのあった著者は苦しみながらも生徒会長をやったり、サークルを立ち上げたりするのですが、それは波瀾万丈で可哀想と思いつつも笑ってしまうところもありました。中でも大学時代にあやしげな宗教を立ち上げ教祖になったというエピソードはなかなかクレイジーでしたね。

著者はさまざまな経験から、人はどうすれば、お互いにわかり合えるのだろうという考えを追求し始めます。その思想の一部を説明すると、人には欲望があり、その欲望に従って行動しているというものです。

デート中のカップルを例に考えてみましょう。男はカラオケに、女は映画に行きたい。男の欲望はストレスが溜まっているので歌って発散したい欲望が、女は疲れているのでのんびり映画を観たい欲望があります。この欲望をただぶつけ合うと意見が分かれてケンカになりますよね。お互いの欲望の理由「ストレスが溜まっている」「疲れている」を話し合うことで、そういうことかとお互いに認め合うことができるかもしれません。

当たり前のようですが、これを言葉で説明しようとする人はなかなかいませんよね。言語化されていない思想を言語化する。これも哲学です。

哲学はその時代の問題を解決しようと考え抜かれた思想です。世代を越えて受け継がれるくらいパワフルな思想。その思想をわたしたちが生きる現代の問題を解決するため、更に鍛え上げていくものだと著者は言っています。

わかってもらいたいのにわかってもらえないというのは、おそらく人間の持つ普遍的な悩みなのでまだまだ考え続ける必要があるかもしれませんね。そして誰かの優れた思想が次世代に伝えられていくのでしょう。このように思想が受け継がれていくってなんだかロマンを感じませんか?

ロマンを感じた方は、気になる哲学者の著作をあたってみるのも面白いですよ。ただ、かなり読みにくいのでその哲学者の入門書と一緒に読むのをおすすめします。私が気になっているのはルソーですね。女の子たちにおしりを見せびらかす変態哲学者だったそうです。これまたクレイジー。

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